銀行の金利引下げを引き出す! 3つの交渉術と事前に知っておくべきこと

資金調達の方法
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資金調達コストをできるだけ抑えることは、経営者が行うべき努力のひとつです。

近年は低金利が続いており、銀行も「お金をできるだけ貸したい」と考えていることから、交渉次第で金利が下がる可能性も十分にあります。

金利引き下げ交渉の成功確率が高いのは、この3つの方法です。

  • 他行から預金を移す
  • 借入額を増やす
  • 他行への借り換えや一括返済を申し出る

銀行の金利引き下げ交渉では、これらの方法に加えて自社の財務状況、銀行の決算月前後のタイミングなど、色々な要素が関係してきますので、一番成功率が高い時期や方法を選ぶことが大切です。

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それでは、成功率が高い銀行の金利引き下げ交渉について、詳しくみていきましょう。

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金利交渉前に知っておきたい、金利の決まり方

銀行と金利交渉をしてできるだけ金利を下げるためには、まず金利が決まる仕組みについて理解しておくことが大切です。

銀行融資の貸出金利は、短期プライムレートにスプレッド(上乗せ分)を足したものです。

短期プライムレート 1年以内の短期融資で、最も財務状況や業績が良い企業に対する最優遇金利のこと
スプレッド(上乗せ分) 信用格付け(12段階)が高いほど小さい

プライムレートには「長期プライムレート」と「短期プライムレート」がありますが、銀行融資の貸出金利は、どの銀行も短期プライムレートを基準に計算されています。

短期プライムレートはそれぞれの金融機関が独自に決めることができますが、全国的には以下のようにメガバンクが発表しているものが基準となっています。

銀行名 短期プライムレート 適用開始時期
みずほ銀行 年1.475% 2009/1/9~
三井住友銀行 年1.475% 2009/1/13~
三菱UFJ銀行 年1.475% 2009/1/13~

ここ10年以上、年1.475%で推移していますので、今後も同じ状態が続くと予想できます。

銀行融資金利を下げるためには、この短期プライムレートを基準として、上乗せ分をどれだけ小さくできるかということがポイントになってきます。

基本的には信用格付けが高いほど、上乗せ分は小さくなります。

逆に、信用格付けが低く「要注意先」「要管理先」になってくると、上乗せ分もかなり大きくなりますので注意が必要です。

ただ、信用格付けが高いからといって、低い金利を提示してくるとは限りません。

銀行は、高い金利で融資すればするほど、利息収入が増えることになります。

逆に、金利を下げると、銀行の収益が下がることになりますので、信用格付けが高いからといって、最初から低い金利を提示してくるとは限らないのです。

銀行の融資金利を下げたい場合は、経営者側から金利引き下げ交渉を行うことが大切だといえます。

金利交渉のリスクとは

銀行との金利引き下げ交渉には、ある程度のリスクも伴います。

銀行が「お金を貸したい」と思う会社であれば、金利引き下げ交渉が成功し、低い金利で融資を受けられる可能性が高まります。

しかし、業績が悪かったり、過去の返済で問題があった場合は、銀行が「リスクが高いので本当はお金を貸したくない」と考えている可能性があります。

このように、銀行の評価が低い会社が金利引き下げ交渉をすると、以下のような事態を引き起こしてしまうリスクがあります。

  • 担当者の心証が悪化し、今後新たな融資が受けられなくなる
  • 担当者の営業成績を下げることになるので、今後親身になってくれなくなる
  • 取引からの撤退を告げられ、お金を借りることができなくなる

融資金利を引き下げるということは、銀行の収益を減らし、担当者の成績を下げてしまうということです。

そのような提案をしても関係が悪化せず、今まで通り融資を受けられるかということは、銀行と会社との力関係によるところが大きいといえます。

自社の業績や今後の成長性を冷静に判断し「銀行にとって融資をしたい先であるかどうか」をしっかりと考えてから金利引き下げ交渉をするようにしましょう。

銀行の金利引下げを引き出す3つの交渉術

銀行から金利引き下げを行ってもらうには、主に3つの方法があります。

金利引き下げ交渉にはリスクもありますので、どの方法が一番自社に合っているかをよく考え、交渉に挑みましょう。

実質金利を上げる代わりに表面金利を下げる

銀行は実質金利を重視する傾向にありますので、実質金利を上げることで表面金利を下げることができます。

まず、借入金と預金を使って算出する「実質金利」について説明します。

以下のような借入金がある場合を考えてみましょう。

借入金 金利 返済利息
1,000万円 3.00% 30万円

普通預金金利0.1%の500万円の預金をした場合

預金がない場合、実質金利は3.0%のまま。

500万円の預金で会社が受け取ることができる利息は5,000円です。

銀行側からすると、1,000万円貸しているが500万預けてくれているため、実質500万だけを貸している状態で、「返済利息分ー普通利息分(30万ー5,000円=29万5,000円)」のお金を受け取っていることになります。

この場合、銀行は実質500万の貸出で29万5,000円の収益を得ていることになるので、29万5,000円÷500万=0.059という計算をして、実質金利は5.9%となります。

このように、預金をすることで銀行の実質金利を上げることができますので、それを材料に金利引き下げ交渉を行いましょう。

「新たに500万預金をすると、実質金利は3.0%から5.9%になるので、2.9%上がります。その分1%でも(少しでも)表面金利を引き下げていただけませんか」という切り口で話をしましょう。

実質金利が2.9%上がっている分、銀行としては収益が上がっていることになりますので、例え表面金利を下げたとしても、銀行としてはプラスになります。

営業担当者の成績を下げずに、表面金利を下げることができる賢いやり方と言えます。

借入額を上げる代わりに金利を下げる

借入額を増やして銀行の利息収入を増やすことで、銀行の収益アップに貢献しつつ、金利を下げるという方法があります。

銀行にとってみると、「1社あたりの融資額が大きいほど、収益性が高い」という事情があります。

融資1件あたりの人件費は、融資額の大小にかかわらずあまり差がありません。

そのため、1社あたりの融資額が多いほど、事務コストはそのままで収益のみが上がるため、銀行の収益性が高くなるのです。

もちろん、融資担当者にしても、手間がかからず成績が上がるということになるため、歓迎されます。

この方法でおさえておきたいポイントは「他行での借入を移してくる」ということです。

新たに借入額を増やしてしまうと、銀行にとって貸し倒れリスクが上がることを意味しますので、金利引き下げができない場合も多くなります。

しかし、他行からの借入を移してくる場合は「会社にとっての銀行からの借入総額」は変わりません。

そのため、銀行は貸し倒れリスクを上げることなく、融資額を引き上げることができます。

例を考えてみましょう。

  • A銀行 金利3.0%で2,000万の借入
  • B銀行 金利3.0%で1,000万の借入

A銀行に金利引き下げ交渉をする場合を考えてみます。

3.0%の金利で2,000万の借入をしているので、A銀行の利息収入は60万円です。

B銀行からの借り入れをA銀行に移して合計3,000万の借入にした場合、仮に金利を3.0%から2.5%に引き下げたとしても、銀行が受け取る利息収入は「3,000万×2.5%=75万」となります。

つまり、金利を下げたとしても借入総額が増えたほうが、銀行にとっては収益が上がっていることになります。

このように、借入を増やす方法では銀行の収益に貢献しつつ、金利を下げることができます。

交渉は「他行からの借入をA銀行にまとめますので、少し金利を下げてもらえませんか」という切り口で行いましょう。

金利を下げない場合他行に借り換えをする

他の銀行への借り換えを材料に金利引き下げ交渉をすることが、銀行へのダメージが大きいため、ある意味一番効果がある方法であると言えます。

銀行は、お金を貸して返済利息を受け取ることで収益を上げています。

そのため、収入がゼロになってしまう借り換えや一括返済は、銀行が一番避けたいと考えることなのです。

借り換えをされると収益が大幅減になってしまうので、「それなら金利を下げましょう」と話がまとまることも少なくありません。

「他行でこの銀行よりも低い融資提案をいただいています。ただ、当社としては今までの信頼関係もあり、このまま借り入れを続けたいと思っています。他行の金利と同水準まで金利を下げてもらうことはできませんか?」といった切り口で話し合いを行いましょう。

ただし、この方法には大きなリスクが伴います。

業績が良い会社の場合は問題ないです。

ですが、銀行が「倒産リスクが高い」と考えている会社の場合は「わかりました。どうぞ借り換えてください」と言われてしまうこともあるので注意が必要です。

また、借り換えは担当者の成績を悪くする行為でもあります。

実際に借り換えをしなかったとしても、その話を持ち出しただけで担当者の心証を悪くし、今後の取引に影響が出てきてしまう場合もあるのです。

「金利を下げてでもお金を借り続けてほしい」と銀行が思う企業でなければ、自分の首を締める結果になることもあります。

借り換えを引き合いに出した金利引き下げ交渉の場合は、自社の信用格付けや財務状況、決算状況などを考えて慎重に検討するようにしましょう。

金利交渉はどのタイミングでするべき?

金利交渉を行う一番良いタイミングは、担当者が営業成績アップに追われている決算前です。

  • 9月の中間決算前(8~9月)
  • 3月の本決算前(2~3月)

1年間で、これら二つの時期が金利交渉が成功する一番良いタイミングであるといえます。

もしも会社の財務状況が良好とは言えない場合であっても、この時期であれば金利引き下げ交渉に応じてもらえる可能性があります。

また、この時期の交渉は、営業担当者との信頼関係を高める良いタイミングです。

一番営業成績が必要な時期に「銀行の収益を上げつつ、金利を引き下げる方法」を提案すれば、担当者を助けることにもつながりますので、信頼関係も高まり、今後の取引に良い影響を与えてくれます。

銀行にプラスになる形での金利引き下げ交渉であれば、中間決算や決算の時期を狙って行うと良いでしょう。

逆に、この時期に「他行への借り換えを材料にした金利引き下げ交渉」を行うと、普段よりも信頼関係を損なうリスクが高まりますので注意しましょう。

まとめ

銀行との金利引き下げ交渉で効果的なのは、この3つの方法です。

  • 預金をすることで実質金利を上げる方法
  • 他行の借入をまとめることで、借入総額を増やして金利を下げる方法
  • 他行への借り換えを材料にして、金利を引き下げを交渉する方法

銀行との良好な関係を保つことは、会社にとってとても重要です。

金利引き下げ交渉を行うときには、会社と銀行の両方にメリットがあるような方法を最初に検討するようにしましょう。

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