ファクタリング業者と思って契約したら実は闇金業者で、思ってもみない契約を交わしてしまい、法外な利息をとられたという被害が増えています。
ファクタリングは売掛債権を簡単に現金化できる「合法で資金繰りに効果的な方法」です。
海外ではファクタリングは年間数十兆円規模の取引があり、資金調達方法のひとつとして認められています。
しかし、闇金は違法業者です。
ファクタリング業者を装った闇金にだまされると、売掛債権を担保にした融資契約を結ばされ、高額な利息を支払わされるため注意しなければなりません。
以下の点にあてはまる場合は、闇金業者の可能性があります。
- 売買債権譲渡契約に償還請求権がついている
- 申込人の通帳・銀行印・キャッシュカードを預かる
- 金銭消費貸借契約を締結し、保証人になることをもとめられる
- 契約書の写し・領収書などの書類が渡されない
- 現金でやり取りをしようとする
- 会社のホームページに代表者名や設立年月日などの記載がない
- 審査の所要時間が短かったり、即決で契約しようとする
- 手数料が異常に安い
ファクタリングを利用するときには、闇金でないかどうかをしっかり見分けて、信頼できる業者に依頼することが大切です。
それでは、ファクタリング業者を装った闇金業者の見分け方について詳しくみていきましょう。
ファクタリング業者か闇金・偽装ファクタリング業者か見分ける方法
ファクタリング業者と闇金・偽装ファクタリング業者を見分ける方法はいくつかありますが、まずは両者の違いを理解しておくことが大切です。
ファクタリング | 売掛債権をファクタリング業者に売却し、現金を受け取る。 |
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闇金業者・偽装ファクタリング業者 |
売掛債権を担保にお金を借りる契約を結ばされる。 最初に現金を手に入れられるが、高い利息と元本を返済していかなければならなくなる。 |
闇金・偽装ファクタリング業者はファクタリング業者を装っていますが、売掛債権を売却せず、それを担保にして法外な利息を支払う金銭貸借契約を結ばようとします。
日本ではお金を貸す業者はすべて「貸金業者」の登録を受ける必要があり、年間利息は年20%以下と定められています。
しかし、これらの業者はそのような登録をしておらず「1年で年利360%」というような常軌を逸した高い利息を要求してくるため注意が必要です。
また、高い利息だけではなく「闇金のような反社会的勢力と関わりがある」ということも、会社に悪影響を及ぼします。
資金繰りをスムーズにして今後のビジネスを順調にすすめるためにも、ファクタリング業者を装った闇金業者をしっかりと見分けることが大切です。
それでは、闇金業者を見分けるポイントについて詳しくみていきましょう。
売掛債権譲渡契約に償還請求権がついている
償還請求権は「リコース」とも呼ばれ、この償還請求権がついているものは、万が一売掛先が倒産した場合には、ファクタリング利用者が支払いを行わなければならない仕組みとなっています。
つまり、「売ったら終わり」ではなく、償還日まで「売掛先が未払いをするリスク」が常につきまとうことになります。
一般的なファクタリングは、ファクタリング業者に売掛債権を売却すれば取引は終わります。
そして、万が一取引先が倒産した場合は、その損失はファクタリング業者が被る仕組みです。
ファクタリング業者に支払う費用には、その「取引先が倒産するリスク」の分の費用も組み込まれていることが一般的です。
信用度が低い取引先の売掛債権の場合は手数料が高くなることもあるものの、利用者のリスクがないことがファクタリングの大きなメリットであり、日本ではこのような償還請求権なしの「ノンリコースのファクタリング」が主流です。
ファクタリング業者と契約書を交わす際には、償還請求権がついていないかどうかをしっかり確認するようにしましょう。
申込人の通帳・銀行印・キャッシュカードを預かる
ファクタリングでは売掛債権の売却代金を振り込むための銀行口座名が必要になることがありますが、通帳や銀行印、キャッシュカードをファクタリング業者が預かることはありません。
これらを預かりたいということは「毎月の返済に関わる手続きが必要」ということを意味しており、闇金業者が金銭貸借契約を結ばせようとしている可能性がありますので注意しましょう。
金銭消費貸借契約を締結し、保証人になることをもとめられる
ファクタリングは売掛債権の単純な売買ですが、それにもかかわらず金銭消費貸借契約を求められる場合はかなり注意が必要です。
担保や保証人が必要になることもありません。
このような契約を提示してきたり、担保や保証人を求められる場合は闇金や偽装ファクタリング業者の可能性が限りなく高いと考えてよいでしょう。
契約書の写し・領収書などの書類が渡されない
ファクタリングのような取引において、契約書の写しや領収書を相手に渡すことは国からの指導もあり、必須条件とされています。
これらを渡さない業者は、信頼性に欠けるファクタリング会社か、闇金のどちらかといえるでしょう。
契約書のコピーがなければ契約内容を後日あらためて確認することもできません。
金銭消費貸借契約を結ばされていても気付きにくくなり、それが闇金の狙いともいえます。
契約書のコピーや写しは必ずもらうようにしましょう。
現金でやり取りをしようとする
闇金業者は証拠を残すことをきらうため、売掛債権の売却代金を振込ではなく手渡しで渡そうとすることが多くあります。
振込を嫌がる素振りがあれば、警戒した方が良いでしょう。
会社のホームページに代表者名や設立年月日などの記載がない
闇金を装うファクタリング業者の場合はホームページ自体がない場合があり、あったとしても代表者名や設立年月日、費用などの詳細が書かれていないことが多くなっています。
記載されている電話番号が携帯電話のみの場合も要注意です。
ホームページに代表番号が記載されている場合でも、契約までのやり取りにおいて、携帯電話からしか連絡がない場合は注意した方がよいでしょう。
審査の所要時間が短かったり、即決で契約しようとする
ファクタリングでは売掛先の信用度を調べるという審査があります。
売掛先の資金繰りが悪く未払いが発生した場合は、ファクタリング会社に損失が出てしまうためです。
審査をしっかりと行わないファクタリング会社は、裏になにかあるかもしれません。
「審査なし」や「審査が短時間」の場合は、闇金の可能性も視野に入れて契約は慎重に行うようにしましょう。
手数料が異常に安い
ファクタリングの手数料の相場は、売掛債権金額の10~30%と言われています。
もしも数%といったような格安の手数料が提示された場合は、それにつられないようにしましょう。
非常に安い手数料を提示して契約させようとするのは、闇金の常套手段ともいえます。
まとめ
ファクタリング業者を装った闇金業者は、気付かないうちに異常な高金利の金銭貸借契約を結ばせようとしてきます。
ファクタリング自体は通常のプロセスであっても「お金が足りなければ、お金を貸すこともできる」と提案してくる場合も要注意です。
ただ、ファクタリング自体は最短即日で現金を手にすることができる、非常に効果的な資金調達方法です。
信頼できる業者かどうかをしっかりと見極めながら、スムーズな資金繰りのためにファクタリングをうまく活用するようにしましょう。