リスケジュール(リスケ)の流れと、成功させるために注意すべきポイント

会社経営の基礎知識

経営には良いときも悪いときもあります。

問題を銀行融資返済に限定すれば、悪い時をしのぐ手段がリスケジュール(リスケ)です。

スケジュールを組み直す、という意味でリスケはすでにビジネス用語としても定着しています。

「融資返済の見直し」として銀行で使うリスケも、融資取引のある人には馴染みある言葉になっています。

まず始めに申し上げたいのは、自発的な、そして強い気持ちがなければリスケは上手くいきませんし、そうなってからでは銀行は決して助けてはくれません。

銀行でリスケを考えている人、あるいはいつかリスケを検討するときに痛手を負わぬよう、これからの説明を参考にして下さい。

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リスケジュール(リスケ)の手続きの流れ

「業績が悪化し借入の返済が苦しくなったので、銀行に相談して毎月返済を減らしてもらう」

リスケを端的に表現すればこのようになります。

(ちなみに、融資の返済条件を変更することから「条件変更」とも呼びます)

しかし現実はそれほど簡単なものではなく、リスケするには越えなければならないハードルがいくつかあります。

それが「事業計画書・資金繰り表の作成」そして「金融機関との交渉」です。

上記した2つをクリアできて、はじめてリスケは実行されます。

言い換えれば2つの課題を解決しなければリスケはできないということです。

事業計画書・資金繰り表の作成

事業計画書と資金繰り表は金融機関でリスケをしてもらうために必ず必要になるものです。

この2つがなければリスケできないといっても言い過ぎではありません。

また内容によってリスケしてもらった時の条件にも影響するほど、非常に重要なものです。

事業計画書とは?

リスケを実現させるために必要となる「自発的な強い気持ち」その根拠が事業計画書です。

事業計画者は別名「経営改善計画」とも呼ばれ、一般的に5~10年の期間を設定して期間内に「赤字から黒字転換する」あるいは「少なくとも赤字を半分にする」といったように具体的なテーマを決め、経営者が自分で作った再建計画です。

どのような事業計画書ならリスケしてもらえるのか?

債務者が悩み考えた末にやっと作った計画書も、金融機関に提出するとほぼすべて「ダメ出し」されます。

事業計画書には必ず盛り込まなければいけないキーワードがあり、一般には知られていません。

それを知っているのは金融機関と金融庁だけです。

銀行員として、私は数多くの事業計画書を見て、添削指導も数え切れないくらい対応してきました。

銀行員にとって、リスケをスムーズに進めることが大事なので、事業計画書をどう書けばいいのか?筋書きは頭の中に入っているのです。

金融機関に認めてもらえる、つまり銀行員好みの事業計画書とは次のようなものです。

 <リスケしてもらえる事業計画書のポイント>

  • 現状分析と反省の弁がある~自分を見つめられ無ければ解決策も考えられない
  • 5W1Hがある~特に「いつまでに何をどうする」という期限がなければダメ
  • バラ色の計画はNG

事業計画では特に3つ目が重要です。

今まで自分なりに考え、努力はしてきたはずです。

それでも上手くいかなくなったので、金融機関に助けを求めているのです。

「5年で黒字にする」V字回復の事業計画を救っても、これは逆効果です。

酷な表現ですが、V字回復できるなら困ってはいないはずだからです。

このような計画書はバラ色の理想論、「絵に描いた餅」でかえって心証を悪くしてしまいます。

「5年間の間に少しでも赤字を減らし、上手くいけば収支トントンまでには持っていきたい」こういう保守的(堅実)な計画にすることが大事です。

資金繰り表とは?

こちらは特に詳しい説明は不要でしょう。

会社の資金繰りをまとめたものが資金繰り表です。

経営が悪化する企業はたいてい資金繰りが把握できてないところが多く、また資金繰りできないから経営が悪化するとも言えます。

今まで資金繰り表など作ったことがない人もいるでしょうが、リスケするのは必須です。

資金繰り表を独力で作成できない場合は、経営者から聞き取りして銀行が作成してくれる場合もあります。

金融機関との交渉

金融機関との交渉では次の2点がポイントになります。

1つは上記した「強い気持ち」そしてもう一つは「経営を再建したいという決意表明」です。

強い気持ち

銀行といっても要は金貸しですので、延滞者や返済できない相手には厳しい対応をします。

では取引先から「実は返済が困難だから助けて欲しい」と依頼されたら銀行はどう対応するでしょうか?

実はここがポイントです。

銀行がリスケをする大義名分は「業況不振等を要因とした、取引先からの返済条件緩和の依頼」です。

銀行はリスケ依頼を受け付けると、原則断ってはいけないと監督官庁から命令されています

ここでお伝えしたいのはとにかく「依頼すること」が大事なのです。

黙っていても銀行は何もしてくれません。

銀行のほうからリスケを言い出してくることはまずありえません。

リスケを依頼するということは、銀行に頭を下げることに他なりませんので、プライドのある人には抵抗を感じるかも知れません。

しかし繰り返しますが「依頼がない限り銀行はリスケしてくれない」 このことは覚えておいて下さい。

経営を再建したいという決意表明

そしてリスケを依頼するときには、とにかく「経営を再建したいんだ!」「だから助けて欲しい」と強くアピールすることも大事です。

例えばリスケを頼んでいる時は何度も銀行に行かなければなりません。

そして「経営のここがダメだった」「会社の弱点はここです」などと経営改善計画を説明する時に言わされることになります。

メンタルが強い人もこれは苦痛でしょうが、とにかく短慮は禁物です。

リスケジュール(リスケ)の実行

実際にリスケする時に一番問題となるのは費用で、この費用の中で特に忘れてはいけないのが利息です。

リスケするとき数ヶ月返済が延滞しているといったことは良くあります。

この時に延滞している元金返済はそのままにして(数ヶ月分の元金支払は免除するということ)リスケをして、以降の返済額を少なくする、といった対応をする場合があります。

ただしこの場合、元金は払わなくても良いのですが利息だけはリスケする時に払わなければいけません。

元金を免除してくれることはあっても、利息を免除してくれることはありません。

また利息以外にも手数料や保証料(信用保証協会扱いの場合)が必要になります。

タダではリスケできないということは、ぜひ覚えておいてください。

リスケジュール(リスケ)を成功させるためのポイント

リスケジュールを成功させるためのポイントは、前半部分でお話ししてきた精神面、そして事業計画以外に現実面でも注意しなければならないポイントがあります。

金融機関という業種独特の決まり事や、お金に関わる問題など、実際にリスケに携わってきた経験からお話します。

リスケジュール(リスケ)をする際の注意点

注意点は2つあります。

「リスケはすべての金融機関で同時にしなければダメ」

そして「聞かれたことには正直に嘘をついたらダメ」です。

リスケはすべての金融機関で同時にしなければダメ

融資取引している銀行がいくつもある場合、すべての金融機関で同時にリスケしなければいけません。

銀行的表現では「協調」あるいは「歩調を合わせる」などと言い、金融機関がリスケするときの大原則です。

融資している銀行から見れば、例えば自分の銀行だけ返済額を10万円から5万円に減らしたのに、ライバルのB銀行の返済は10万円のままとすると、自分の銀行で減らした分がB銀行の返済にまわると考えますので、これは通用しません。

聞かれたことには正直に、嘘をついたらダメ

上記した他の金融機関の内容についてはリスケの時に必ず聞かれます。

自分にとって有利になるように、例えば他行は金利や返済額など好条件なのでリスケしないつもりなのにそのことを黙っていたり、ウソをついてごまかしたりすると、あとで痛手を負うことになります。

協調と表現したように、たとえ普段はライバル関係でも、リスケ対応する時だけは金融機関同士で情報交換をします。

これは「仁義」ともいえるもので、他行をだましたり出し抜いたりすることは絶対にしません。

したがって、債務者がウソをついてもすぐにバレてしまいます。

言うまでも無く、ウソをついたことがバレたら、すべての金融機関からの信頼を失うことになりリスケはどこからもしてもらえないことになりますので、注意してください。

万が一リスケジュール(リスケ)を断られたら?

原則的に銀行はリスケの申し出を断れません。

しかし上記のように信義に反するウソをついた場合などは例外的に断わることも可能です。

また事業計画や資金繰り表の提出を拒んだり、銀行員との面談交渉を拒否したりすれば「再建の意志無し」として銀行は堂々と断わることができます。

それ以外でも、延滞している利息の精算を拒否したり、意志はあっても利息が払えなかったりした場合はリスケ自体の対応ができないので結果的に断わって良いことになっています。

こうしたケースは断わられてもしょうが無いものですが、そうではなく理不尽な理由(いわゆる貸し剥がし)や明確な理由の説明がなく納得できない場合などは監督官庁である金融庁など公的な相談窓口に連絡するのが良いでしょう。

リスケを断わるのは金融機関にとっても大変

明確な理由がなく断られたことを金融庁に密告されたりすると非常にやっかいなことになります。

この場合、銀行に非があることが証明されると銀行員や支店長だけではなく役員級のクビが飛ぶことさえあるのです。

それくらい金融庁は債務者保護を重視し、銀行の対応に厳しく目を光らせているのです。

また正当な理由があってリスケを断わる場合でも、銀行は手間と時間をかけます。

 <銀行がリスケを断わる時の段取り>

  • 監督官庁や社会的にしっかりと説明できる明確な理由があり
  • 断わっても銀行が非難される心配がないことを確認したうえで
  • 必ず2名以上の銀行員で1名は管理職など責任ある立場の人間が対応す
  • この時交渉した内容は記録し保存する

銀行がリスケを断わった場合など、定期的に金融庁に報告しなければいけないことになっていますので、このように複雑な手順を踏むのです。

リスケのとき、金融機関がやってはいけないこと

リスケは債務者を救済するためにやるものです。

しかし、残念ながらリスケするときに金融機関がその優越的立場を利用して自分の利益を求めるような行動をすることがあります。

例えばリスケするとき、同時に金利を引き上げることがありますが、これは違反行為です。

もちろん実際の現場では違反にならないようタイミングをずらすなど巧妙に行なわれます。

また正当な理由のない手数料を取られることもあります。

こちらについては一部の金融機関で恒常的におこなわれていたことが社会問題にまで発展し、金融庁が改善命令を出す事態にまで発展しました。

金利引き上げ、不当な手数料、これらは債務者の精神的弱みにつけ込んだまさに「弱いモノいじめ」です。

理不尽にリスケを断わられたときと同様に、交渉した記録(ノートに書くだけでも有効です)を残すなどして、公的な窓口に相談するのが良いでしょう。

まとめ

ここまでリスケの流れ、注意点など説明してきましたが、リスケは悪いことではありません。

努力しても上手くいかないとき、他者の力を借りることも時には必要だと思います。

また真剣に向き合えば、銀行は救いの手を差し伸べてくれるものです。

返済が困難になったと言ってもあくまで「お客様」なのです。

銀行員と話す時にも必要以上にへりくだる必要はありませんが、かといって虚勢を張るのもおすすめできません。

恥ずべきことではないのですから冷静に、かつ真剣に向き合って下さい。

最後に、これも重要な点ですがリスケ中、原則として新たな追加融資はしてくれません

しかしながら、今まで毎月30万円だった返済がリスケで5万円に減ったなら、浮いた25万円は事業資金に使えるのです。

1ヵ月25万円なら1年では300万円となり、同額の新規融資を受けられたのと同じ効果があるとも考えられないでしょうか?

リスケで手元資金を確保し「悪いときをしのいで」欲しいこと。

そしてリスケは法律により定められた救済手段なので、断わられたことが自分で納得できないなら、泣き寝入りせず行動することをおすすめし、今回のまとめとします。

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